ここはラオスなのに中国のケータイ会社が使えることは前に記した。
(ラオスのビール「ビアラオ」と中国移動
その、ラオスの中国特区から、最終18時の渡し舟でメコン川を渡り、タイに入国する。
ラオスのイミグレで出国印を押してもらい、なぜか無料の船で1〜2分。
あっという間にタイ側に到着。
だが、着いてもイミグレがない。あれ?
なんのチェックもなく入国できてしまう。
そのへんにいた現地人にイミグレイション? と訊ねると
300メートル先にある、という。
歩いてイミグレに到着すると、帰り支度の係官。
「オウ。もう18時でコンピュータシステムを落としてしまったから、
もう入国スタンプは押せない。明日、またラオスに戻って
明日の日付で出国してから来い」
と事も無げにいう。
念のために、「このまま旅を続けたらどうなるか」と訊くと
「Will be arrested(逮捕される)」
とのオソロシイお言葉。
仕方なく、近くのゲストハウスを探して投宿することに。
厳密にいうと、いや、思いっきり密入国状態だが、パスポートの提示は必要なく、すんなり泊まれた。
一泊500バーツ(1500円ちょっと)だがログハウスのような外観で
1室ごと別れており、大変快適であった。
そして翌朝。
念のためそのままイミグレに行くも、
「ラオスに行って、昨日の入国をキャンセルしてもらってこい。そうじゃないと入国印は押せない」
との仰せ。やはり公務員というのはどこに行っても堅苦しい。
さすがに賄賂を寄越せということではなかったのだと信じたい。
スポーツマンタイプのガッチリしたイケメン係官だった、ということもある。
そこに、トラブルを察知した船業者のオッサンが近寄ってきていう。
「ラオスのスタンプか。往復400バーツで行ってやる。来い」
まさか泳いで行くわけにはいかず、頼むしかあるまい。
300バーツに値切り、商談成立。
ふと考えると、この船頭の物分りが良すぎる。
それくらい、よくあることなのだろうか。
タイは北部に行くとバスに乗車中でも検問があり、警察に身分証をチェックされる。
雲南省などからも出稼ぎ人がけっこういて警戒しているという話を聞いたことがあるが、
ラオスからは、ユルユルに入国できることをはからずも実証してしまった。
夜、メコン川へライトを当てているのも、ラオス側だけだった。
タイ側からも中国特区のカジノが見える。
それは派手派手しいネオンが縁取られており、あのノンビリしたラオスとは正反対の印象。
いうまでもなく、中国人のセンスなのだろう。
「いい」「悪い」という問題ではないが、彼ららしい。
そして、タイ側のゴールデントライアングル付近からも
携帯電話会社「中国移動」の電波はガッチリ摑んでいたことを申し添えておこう。