通信の自由が保障されている台湾から、
およそ30分ほどの船旅を経るだけで、中華人民共和国領である
アモイに着いてしまう。
台湾のケータイ電波はギリギリ、アモイの五通港までは届いたが、その後力尽きた。
ちなみに、金門からはアモイの東渡港ゆきと五通港ゆきがある。
五通ゆきのほうが時間が短いうえ、アモイ空港にも近いという利点がある。
ただ、市街地からは遠い。
われわれは五通港を利用した。
入国審査を終えてターミナルを出ると、
アモイ空港ゆきバス(6元)が待ち受けてくれている。
思い返せば、下船後に入国審査場まで歩いている間「大陸の洗礼」に遭遇したのだった。
同行のフォトグラファー、宮本雅通氏が大陸の官憲に怒鳴られたのだ。
「帽子を取らんかぁ!」
上を見上げると、カメラが設置してあった。
記録用の撮影ポイントらしいが、
そんなに大声張り上げなくてもよいと思うのだが……。
そして、わずか20分程度バスに揺られると、アモイ空港に到着。
アモイ空港内のカフェで一休みしたが、台湾とは人々が一変したことを感じる。
あの短い海峡の大きな意味を感じさせる。
アモイから、マカオの隣にある珠海という街へ向けてまた飛行機に。
珠海空港のツーリストインフォメーションで聞くと、
市内まではクルマで1時間くらいの距離があるとか。
バスもあるが、普通の路線バスのため2時間くらいかかるという。
タクシーなら130〜140元とも。
ターミナルを出たとたんに大挙して押し寄せる客引き。
100元で連れて行ってやる、としつこい。
値引きにも一切応じない。
仕方ない、とクルマまで行くものの、クルマを見たとたん
同行の宮本氏が「これはヤバイ。やめましょ」と主張。
車種はホンダのスポーツカーで、さらにスポーティに改造してあったのだ。
私は大丈夫だろうとは思ったが、彼の直感に従うことにする。
結局、普通のタクシーに乗ったのだが、料金は136元。
かなり飛ばして1時間かかった。やはり遠い。
ホテルに荷物を置いたあと、外のテラスで食事をさせる店を見つけて侵入。
地元の「海珠ビール」をやたらと勧めてくるのがウザかったが、
料理の味は良く、まあまあアタリであった。
まずくはないのだが、味が薄い「珠海ビール」。
食事後、あまりの疲労を感じた我々は、マッサージへ。
ボーダー近くの「自然保健世界按摩中心」へ突入。
入ってみると、かなり規模が大きい。
もちろん、女性客も多い健全な店だ。
2人用の個室で、2時間全身を揉んでもらってわずか120元(≒1700円)。
たいへん心地よく、眠りに落ちてしまった。