日本国内線に就航する計画を発表した。
しかも、首都圏を拠点にするという。
安い費用負担で、気軽に出かけられるという点では歓迎したい。
これまで、日本のLCCは西日本拠点のものが多かったこともあり、
最大の消費地である首都圏住民は、いまだLCCの恩恵に与りきれていなかった。
これには、羽田、成田の両空港の着陸料が世界でも
トップクラスの高額さであるという問題や、
春秋航空の使用している茨城空港のアクセスが
良いとはいえないところに原因があるようだ。
そこに乱入するのが春秋航空。
日本市場において、国内線を飛ばすのには
33%までしか外国資本であってはならない
という「規制」が存在する。
だから、中国資本の企業である春秋航空は日本の企業と手を結ぶことになる。
必要な外資制限をクリアするための合弁相手がどこになるかは、たいへん注目に値するだろう。
私も今月はじめ、LCCのエアアジアの「札幌・新千歳まで2980円」という激安フライトに搭乗した。
前の記事にも書いたが、安い便は電車で行けないほどの早朝だったり、
機材繰りで定刻運航ができない場合がある、辺鄙な空港に行かなくてはならない、
荷物の重量制限が10キロ未満だったりと、なんらかのネガティブな点も少なくない。
だからこそ安いのだ。
航空界のアウトレット、という呼び方が適しているだろうか。
利用者としては、そこを割り切れるか、否かということになる。
さて、春秋航空に関しては、サービス面で気になることがある。
詳しくは拙著『中国人の取扱説明書』(日本文芸社刊)でも書いたが、
私は国際線、中国国内線ともに、春秋航空には何度もお世話になった。
その際、中国人男性キャビンアテンダント(CA)に、
頭ごなしに怒鳴られた
ことがある。
また、茨城・上海便には日本人CAも搭乗しはじめているのだが、
耳を澄ますと、同僚である中国人CAとのやりとりが「英語」
だったのである。
その日本人CAにちょっと頼みごとをした際のこと、
彼女は私の件を中国人上司に引き継いだ。
お互い母国語でもなく、微妙な真意の伝わらないままで連携がなっておらず、
ちょっとムッとしたことがある。
そういった意味で、国内線のサービス水準はどうなるのか、興味津々である。