「中国でいちばん有名な日本人」と自称する、加藤嘉一氏の経歴詐称が話題になっている。
記事によれば、加藤氏は取材には応じなかったようだが、
自らの公式Webではいち早く(10月31日付)釈明を掲載している。
<ある週刊誌で私の経歴に関する疑義についての記事が掲載されました。
記事でご指摘の通り、私が東京大学に合格・入学した事実はなく、
私の過去の言動から皆様に誤解を与えてしまいましたことに、
心より深くお詫び申し上げます。>
「誤解を与」えた、という表現には、いささか違和感を感じるものの、
きちんと認めたことは一定の評価はしてもいいのだろうと思う。
だが、「経歴詐称報道」は、彼のホームグランドにも飛び火、
多くの中国メディアが、文春の暴露を報じた。
さらに、この記事では、別の「肩書き詐称」も明らかにしている。
「北京大学朝鮮半島研究センター 研究員」の肩書きで日本でも本を出しているが、
北京大学に、そのような研究所は存在しないというのだ。
「北朝鮮スーパーエリート達から日本人への伝言」(講談社プラスアルファ新書)と題する本が
この研究員の肩書きを用いて出版されている。
出版元の編集者は、気づかなかったのだろうか。
「中国でのことだから、どうせバレないだろう」
彼にこういう感覚があっただとすれば、誠に残念なことだ。
加藤嘉一氏については、拙著「中国人の取扱説明書」(日本文芸社)でも最初の1章を割いた。
私自身、中国でかなり取材をしたが、彼のことを知る中国人は非常に少ないのが現実だ。
「中国でいちばん有名」ということ自体、かなり疑わしいといわざるを得ない。
詳しくは、ぜひ拙著を一読いただければ幸いだ。