2025年04月11日

ラオス・ミャンマーなどの中国マフィア進出

特殊詐欺の拠点として最近話題になっているミャンマー。
中華系の反社勢力が軍政で混乱しているミャンマーの政情を利用して
ひとつの「治外法権」としてやりたい放題やっている、という報道が出ている。

こういった中国が東南アジアに進出するやり方は、
すでにコロナ前の2010年代に取材していた。

東南アジアでも貧国のひとつであるラオス。
タイ北部とは小さな川をひとつ隔てるだけで、地元住民は簡単に行き来している。

そんなラオスのタイ側に、中国資本のカジノがかなり前からあった。
そこでは中国の携帯電話が通じており、周辺の飲食店では人民元が使える。
カジノはかなり広々と豪華で、多くのタイ人らがギャンブルに興じていた。

このあたりも、中華系反社の拠点を形成するひとつの橋頭保になっていたはず。
中国はカネにものを言わせ、土地を99年間の租借、という契約をあちこちで結んでいたようだ。

今後も、こういった法的にあやふやな場所を拠点とした犯罪は脈々と続いていくはずだ。
ケシ畑はなくなったというが、新たな「ゴールデントライアングル」といえるだろう。


posted by 中田秀太郎 at 19:11| 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月27日

アパホテルの南京大虐殺否定本と中国出版事情

アパホテルの客室に備え付けられている本に南京大虐殺を否定する記述があり、中国政府が反発している。
客室に置かれているのはアパグループの元谷外志雄CEOの著書とのこと。

その内容の如何に関しては他に譲るが、アパグループが発表した見解では「日本では言論の自由が保障されている」と強調しているようだ。

まさにそのあたり、日中両国では大きくシステムが異なる。

中国ではどのようにして政府の意向に沿わない本が出ない仕組みになっているのだろうか。

メディアは中華人民共和国・国務院直属の「国家新聞出版広電総局」が握っていることは知られているが、さらに細かい制度が存在する。

中国の国営出版社の編集者に取材したところ、中国の編集者は資格制になっていた。
<全国出版専業技術人員職業資格>というライセンスが必須なのだ。
同資格は「初級、中級、高級」の3つに分かれ、それがないと本を世に出すことができない。

そして、政府の意向に沿わない記述をした本を出せば、即その資格を失う。すなわち、仕事を失うわけだ。

その詳細を雑誌「WiLL」2016年8月号に「編集者たちの叫びを聞け」にまとめた。
興味のある方はぜひご一読いただきたい。


posted by 中田秀太郎 at 15:39| 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月02日

肌感覚による「爆買い中国人」の生態

「爆買い」が2015年の流行語大賞に選ばれたそうだ。

そういえば先日、タクシーに乗った際、ドライバーからこんな話を聞いた。

団体旅行で東京に来ていた中国人母娘が、日本に住む中国人の友達に会い、
ひさしぶりということもあり、時を忘れて話し込んでしまった。
気づくと、銀座でのバス集合時間から30分も過ぎていたという。

その中国人母娘がバスの添乗員(これまた中国人)に電話すると、
「もうバスは出発してしまったから、タクシーで来てください」
といわれた、とのこと。

タクシードライバーが電話をかわって話すと、なんとホテルは千葉県の銚子の近く。
少なくともメーターで3万円は超える。
間違いだと思ったドライバーはもういちど確認したが、やはり銚子だという。

「久々のロング客か!」
というアドレナリン分泌も感じたものの、彼は冷静だった。
最も怖いのが運賃回収できない事態になること。
高速代も時間もかけて送ったはいいが、「お金ありません」となったら目も当てられない。

必死に身振り手振りで「お金はあるか」と確認した。
すると、財布を見せてくれたそうだ。
分厚い福沢諭吉の束と、まだ帯封を切っていない100万円もあったとか。

そのホテルは都心からは120キロも離れているとかで、
東関道を飛ばして成田空港を過ぎ、さらに小さな有料道路をゆく。
銀座とは打って変わって寂しい道を通ると、さすがの中国人母娘も不安な様子。
ホテルについて同じバスの仲間と出会ったときは、うれし涙を流していたそうな。

運賃は3万5000円ちょっとだったが、4万円を出し「釣りはいりません」とのジェスチャー。

タクシーのトランクには満杯のお土産品があったというから、札束も爆買い資金だったのだろう。

その中国人母娘がどういう人なのかは知るよしもないが、
中国人には、日本人の想定する範囲内に収まらない、ものすごい金持ちがいる。
その逆に想像すらできないほど、ものすごい貧乏な人もいることは忘れてはならないだろう。

まさに光と影なのである。

posted by 中田秀太郎 at 20:37| 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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